ネット未来地図(2)
ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/10/19
- メディア: 新書
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論点11 TV
- 日本のテレビ局は、放送免許を源泉として強大な影響力を維持している
- アメリカのテレビ局は、単なるコンテナー。映画会社等のコンテンツ制作側が圧倒的に強い
- これからはコンテンツの優位性がますます高まり、コンテナーは何でもよくなる
- コンテナーが広告収入を独占できた構図は、遠からず崩壊する
NHKが視聴料を独占している構図はどうなんだろうな。
論点12 番組ネット配信
テレビの受信料を払わなくていいいかわりにネット配信料を払うなら、それでもいいかも。当然、定額じゃないと困るけど。
論点13 雑誌
- マスメディアとマイクロメディア(ロングテール)の間にミドルメディア(マジックミドル)がある
- ロングテールの場合、コンテンツ提供側の収益は「塵」でしかないため、マジックミドルでの収益が注目されている。
- 雑誌は昔からあるマジックミドルで、ネットと競合することになった。
ふむふむ。ところでこの本は体裁こそ新書だが、なんか読んでいる感覚はまるでブログを読んでいるよう。内容はマイクロコンテンツ的だがあえて本にしました、ということだろうか。
論点14 新聞
- 新聞は、記事というコンテンツを新聞紙というコンテナーで運んでひとやまいくらで売るモデル
- マイクロコンテンツとは本質的に相性が悪い
毎日配達しにくるんだから、別のものの配送とか受け取りとかやってくれたら、付加価値が上がってくれるんじゃないだろうか。チラシもそうだけど、クリーニングとか出前とか。ありきたりすぎるか。
論点15 セカンドライフ
- おじさん(経営層)にもわかる3D画像だから、企画が通りやすかった
EQやってたからあんなのニセモノだってすぐわかったし、インストールする気にもならなかったが、そういうことだったのか。真偽はともかく、これで納得することにする。
論点16 ネット下流
なるほど。ビジネスマン向けとか主婦向けあるいはシニア向け携帯みたいなの理解していたつもりだったが、若者ケータイは別物かもしれない(「携帯」と「ケータイ」と表記も分けてみた)。
論点17 ツイッター
- 脈絡のない独り言
- 「つながり」に純化したコミュニケーション
- 仮想時間軸
これは使ってみないと理解できないと思って数日前に登録してみたが、使ってみてもまだ理解できない。確かに今までになかった「新しい」ものではあるが、例えば1年後、自分がバリバリ使っている姿を想像してもピンと来ない。
しかし、なぜか、捨てきれない。不思議な感覚がある。
ここで、あなたの身の回りの「独り言」の多い人を思い浮かべてほしい。そういう人を見ると本人には悪気はないので気の毒だがやっぱり少し「変なの」と思うのではないだろうか。当然、自分がつい独り言をいってしまったときにも、周りの誰かが同様の反応をしている可能性がある。
ところがツイッターでは、これまではマイナス評価されるか単に消えていくしかなかった自分の「独り言」が、パブリックな場所に非常に手軽に保存されることによって、ある種の「承認」を受けたような気にさせてくれる効果があるように思う。
いずれにしても、なにがしかの理解に至るには、まだしばらく使ってみる必要がありそうだ。
論点18 リスペクト
根が関西人なのでこれはちょっと。リスペクトが収益のきっかけ程度にはなるかもしれないが、源泉にはならんのでは。
論点19 リアル世界
- リアル世界が検索可能になったとき、文字通り世界が広がる
SFの世界からリアルな世界で実現可能なところまできたって話はわかるが、できるってことと使われるってことは違うと思うんだが。とはいうものの、その昔、携帯電話の試作機を見せてもらったときに「あり得ねえ」で片付けてしまったこともあり、自分の直感は全くアテにならない方に自信がある。
前述のように、中途半端なことはやらない方がマシとおもってる派なので、まずは客観的情報として検索可能であることそのものが価値をもつようなものが、まずは突破口を抜けてくるのではなかろうか。
論点20 ウィキノミクス
- 商品を持たずにショッピングサイトを開くことができる「ドロップシッピング」が広がりつつあり、プロシューマーのひとつと考えることができる。
- 社内インフラに閉じたナレッジマネジメントは暗黙知を形式知に変換できず、うまくいかなかったが、インターネットをインフラとすることで、成功する可能性が出てきた
1つの企業なり組織なりが、すべて自前でやる前提をおくと、すぐに限界に到達してしまう。ネットをインフラとした経済圏を構築する発想を持つことで、新たな視界が開けてくるということだろう。