ネット未来地図
ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/10/19
- メディア: 新書
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通勤経路が変わって、電車の中で読む余裕がちょっとできたのだけど、メモも取らずに読んでしまったのであとからまとめようと思っても面倒だな・・・。
まあちょっとずつやるか。
論点1 アマゾン
- 楽天は安価にショッピングモールに出展できる点で規模を拡大した。しかし、顧客からすると良質の店舗や商品を探す手間がかかるのが問題だった。
- ヤフーはポータルの集客力で成立していたが、ポータルより検索エンジンを使う比率が高まってきた。
- アマゾンは単一の仕組みで商品の質を維持している。データベースによる高度なおすすめも重要な要素である。
そういえば10年以上前、まだ関西に住んでいた頃、出張等で機会あるごとにわざわざ秋葉原を歩き回ってPCパーツを買いあさっていたものだが、その後勤務地が東京になったこともありここ数年はビックとかヨドバシでしか買わなくなった。
大型量販店のほうが品揃えがよく、そこそこ値引きされるし、迷ったときもいちいち店員にきかなくても売れ筋1位〜3位くらいから選べばいいと考えるようになったからだ。
ネットの場合はどこに住んでいるかは関係ないので、物流さえ確立していれば、家電とか音楽とかジャンルごとにそこそこ便利なショッピングサイトが1つあれば足りるという結果になる。
論点2 レコメンデーション
内容はばっさり略。
というのも、個人的に昔からレコメンには強い偏見があるからだ。
システムが文字通り機械的に選んだようなものは、果たして採用の価値があるのだろうか。みんなが選んでるものを、同じように自分が選んでいていいのだろうか。レコメンされないものを選びたくなるのは、私だけではないと思うがどうなのだろう。ありえるとしたら、
- 極めて単純なロジックであって、客観的情報提示に徹したもの
- 極めて高度なロジックであって、ライフチェンジングな付加価値をもたらすもの
のいずれかだと思う。
「この商品を購入したあなたに、いま話題のこちらの商品をおすすめします」みたいな中途半端なのが一番いらない。
論点3 行動ターゲティング
同上。
論点4 仮想通貨
- 電子マネーやポイントプログラムは非常にたくさんあるが、統合されていない
- ポイント交換の標準化が望まれる
永久不滅ドットコムにログインしてからアマゾンで購入するとセゾン側にポイントがつく。でもポイントをつけるために、一瞬で発注できるのを思いとどまって別のサイトにログインさせるのって、アマゾンのいちばん利便性が高い部分が台無しじゃん。この例だけなのかと思いたかったが、世の中まだこのレベルなのかも。
でも、最近とうとう観念して定期券その他電車運賃の支払いをおサイフケータイにしてみたところ、意外といいことがわかった。通貨を仮想通貨にするだけじゃなくて、さらにその仮想通貨をケータイという物理的な「モノ」に置き換えたところがすばらしいと思う。現金→口座→クレジットカードと同じっちゃ同じだけどね。
論点5 グーグル
- 企業買収ばかりで革新的なサービスが最近ないのではという声がある
2年前「破壊者か全能の神か」などと言われていたことと対比すると感慨深い。
論点6 プラットフォーム
- もう通信料では儲からない。おサイフケータイのように、プラットフォームビジネスに向かわざるを得ない。
どのようなサービスでも、普及を加速するには定額モデルが有効だが、結局は定額以外の部分をどうするかを考えないといけなくなると言うことだろうか。
テレホーダイが懐かしい。
論点7 ベンチャー
へー。
論点8 マネタイズ
- データベースがあるだけではだめ。規模(スケール)と構造(アーキテクチャ)を両立させて初めて高い収益力を実現できる。
アイタタタ。規模だけとか構造だけとか、そんなのばっかりやってるなあ。
論点9 ユーチューブ
- ユーチューブは「ネタ視聴」という新しい視聴スタイルを生み出した
- リビングの大画面テレビを全く必要としていない → 動画コンテンツに対するパラダイム転換
でもあまり使ってないんだよね。そこまでオンデマンドなものを求めていないのかもしれない。
論点10 動画
ニコニコ動画。いろんな意味で目が離せない。
実は15年くらい前に、ユーザが独自に解説をつけ加えた私設放送局みたいなのを作ると面白そうだなと思いついたことがあった。プロ野球の「珍プレー好プレー」を観ていて、自分ででたらめな解説をつけて流せるようになったら面白いだろうなと。もしくは、そういうシステムを作ったらめちゃくちゃ面白い解説をつけるやつが出てきて盛り上がるんじゃないかとか。
実現手段としては、チャンネル丸ごと録画して時間差で再生することにして、その時間差の間に解説をつけるにはどうするんだろうとかそのあたりをちょっと考えた程度で、そもそも著作権が問題になるから無理だよねってことで終わっていた。当時は動画共有サイトなんてものがなかったから、再生するのはいつでもよいという発想ができなかった。
ニコニコ動画のすごいところは、コメントを書き込むタイミングを動画の再生とシンクロさせたことだと思うが、その背景には
- ユーチューブもやってるんだから著作権はとりあえず無視しとけ
- フラッシュを使って動画をオンデマンド再生する技術が確立された
という極めて異質なものの組み合わせが可能な時代になったということもできるだろう。
つづく(かも)。