議論のルールブック

P.185「議論にはルールがあり、ルール違反の発言はしてはいけない」という考えを頭から取り去ってください。

おおう、ルールブックがルールを否定してるw

議論のルールブック (新潮新書)

議論のルールブック (新潮新書)

おちゃらけはおいといて、これはいい本だ。以下、読書メモ。

  • 言っただけでは分かってくれない相手は、自分とは違う感性を持っている。そういう人と議論することこそ意味がある。
  • 賛成する人の数は問題ではない。みんなが間違っている可能性もある。
  • 議論が始まった段階では、信頼関係がないのが当たり前。
  • 相手が自分をだまそうとしているように感じても表沙汰にせず、だまされたふりをして肝心の所でノーというのが得策。
  • 「質問に質問で返すな」というのは、質問されているのに別の質問を始めてしまう場合はあてはまるが、質問の意図を確認する質問むしろ重要。
  • 結論が正しくても、そこに至る筋道が間違っているインチキ理論に注意。
  • 「存在命題」は1つの例を示せば良いので証明が簡単。存在しないことを証明するのは「全称命題」であり、すべての場合を証明しないといけないので非常に難しい。存在しないことを証明する全称命題、通称「悪魔の証明」へのすりかえに注意。
  • ある説が間違いであることが事実や観察で証明できることを「反証可能性」という。議論には反証可能性が不可欠。良い理論には、明確な反論ポイントがある。
  • この世にはあなたの知らないことがあるのです、というフレーズに惑わされてはいけない。科学はこの世の1%も説明できないと考えるほうがまとも。
  • インチキ理論は、反論できないように作られている。反論するのではなく、まだ足りないところがあるから〜しては?と後押しするのがよい。
  • 冷笑主義者の特徴:相手の説を否定するのが目的。一般的な議論を極端な例外で否定。「悪魔の証明」を悪用。自分で調べようとしない。実証を認めない。
  • 匿名が問題なのではなく、匿名を使って問題のある発言をする人が問題。人の問題なので、システムでは対処しにくい。
  • 議論に言い争いは必要。「言い争いしかしないこと」が問題。
  • テーゼに対してアンチテーゼを作ることは、対立を生み出している暗黙の前提をあぶり出す良い手段。どちらも正しいとしたらどのような場合かを考える。ヘーゲルの「止揚アウフヘーベン)」。
  • メタ議論(議論の仕方の議論)は不毛なようだが、議論の方法を学び、共有することは重要。
  • 議論の結論とは、各自で結論を考えるために必要な判断材料でしかない。

アウフヘーベンてそういうことだったのか。TOC(制約理論)の対立解消図って、これを具体化したツールということかも。

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

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ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

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